大工の醍醐味

2009 年 12 月 1 日 火曜日 投稿者:terada

 

鉋侍 原寸引き大工…子供達からは、憧れる職業のうちに入っていると言う統計を耳にする事が多いです。きっと目に見える結果が家という形で表れ、その大きさ…木の温もりを子供ですら分かっているからなのでありましょう。

 しかし当然、人様の家を建てるのですから、いい加減な仕事は有り得ませんし、未熟な見習い大工には修行期間が待ち構えているのです。

大工になると…初めの頃は掃除から修行がスタートします。仕事が分からないから掃除や運搬しか出来ないのです。

そして使いパシリみたいな事ばかりさせられていると、自然に道具や材料そして大工の心意気みたいなものが何となく分かってきます。 大体それで三年くらいは過ぎてしまうのが第一期間です。

そして次は二つに大きく別れます。次のステップにいく以前の見習い、もう一方は早く大工仕事をやりたくてウズウズしている見習い。 この差が今後の彼等を大きく分ける分岐点と言っても過言ではありません。

大工を目指して三年間、掃除や遣い走り雑用をやらされ続けもういい加減大工仕事をさせてくれ!という態度を見せてきたらしめたものです。水を得た魚の様にスクスクと大工への道へ突っ走ります。 仕事なら何でもそうですよね。

今でもよく覚えています。初めて自分の鉋(カンナ)を使って柱を削った日…勿論、職人が帰った後に誰もいなくなったのを見計らって…(懐かしい) 初めて墨付けを任せられ必死で絵図板を書いたあの日… その自分が墨を付けた家の建て舞いの時…ステップ毎に鮮明に思い出します。

今回は久々に墨坪を出して墨を弾き、打ち、番付をふる…あの修行時代を思い出し大工魂が点灯してきました。あのX’masツリーの明かりよりマイルドにワイルドにハードに…

「本日のあれ~?」

下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そしたら誰も君を下足番にはしておかぬ。

投稿者 元下足番侍

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