今では木造の軸組は機械化によって職人が加工する事は
殆ど見られなくなりました。
修行時代は、一年の五分の一くらいは軸組の手刻みをしていました。
当然、腕力は相当ありました。
指も太く手袋をしているかのような感じのストロングハンドでした(笑)
こういった木を刻む仕事をすると体が反応してきて昔の仕事を
懐かしく思います。
木を刻む前に刃物を切らせておく。
これは刃物を研いでいつでも、いい仕事ができるようにしておく。という意味です。
どんな仕事でも同じことですが、大工職の刃物は整備を見れば、どんな仕事ができるか
わかってしまうほどです。
昔の職人は面接の時は親方が道具箱を見て判断したというくらいに
道具の手入れは口ほどにものを言ったのでしょう。