畳を敷いた瞬間から、い草の香りが部屋中に漂い、森林浴に来た気分になります。
調べてみると、い草の効能の素晴らしさがわかります。
家の中にくつろげる空間として畳の部屋はいいですね。
畳の原材料として約1,100 年以上前より用いられているイグサはJuncus (ジュンカス)属に分類
される多年草の宿根性草本であります。Juncus はラテン語で「結ぶ」という意味があるように,
Juncus 属の植物は硬くて弾力性に富んでいます。原産地はインドであり,シルクロードを経て朝鮮半島に入り,日本に伝わったといわれています。
日本では北海道から沖縄まで全土にわたり自生しており,イグサの茎中の芯は油をよく吸い上げる性質をもつために,日本では古来より,行灯の灯心として用いられていました。このためイグサのことを,燈心草(トウシンソウ)とも呼ばれています。
い草の効能
【効能①】空気の浄化作用
い草は二酸化窒素やホルムアルデヒドの吸着能に優れています。
ある実験でコップに煙草の煙をいれ、そのコップにい草を入れてみると、煙草臭は殆ど消えたそうです。更に粉末状にしたい草を,烏龍茶や焼酎に入れて不純物質を取り除き呑みやすくしているという話も。
これら全てはい草の「スポンジ構造」によるもの。
日々の生活で多くの有害物質がありますが、い草製品はこれらの物質を取り除いてくれる優れた効果があります。
【効能②】アロマテラピー効果
畳の一番の効果といえば,リラックス効果かも知れません。
森林浴と同等の効果があるそうです。
森林浴の際に,たくさん空気中に放出されるのがフィトンという物質です。またそれだけでしたら,室内に観葉植物を置くことでも代用できますが,実は特徴的な成分がイグサには含まれています。それがバニリンです。
バニリンという言葉は馴染みがないかも知れませんが,バニラエッセンスといえばわかるでしょうか。お菓子を作るときなどに数滴入れるものです。このバニリンという成分がイグサのリラックス効果をもたらす一つの成分となっています。
【効能③】湿度調整機能
い草畳表+ワラ床の6畳間では、約3Lの吸湿能力があるといわれており、乾燥してくると水分を放出してくれるので、自然の湿度調整機と言えます。
【効能④】吸音効果
タイヤを使った実験では、床表面に柔らかい素材を使うほど、衝撃音が吸収されることが分かっており、床に畳を敷くことで音が軽減されます。