【削ろう会 高岡大会】 (株)寺田工務店の参加メンバーも大健闘でした!
腕に自信のある大工さんがなんと600人 【削ろう会 高岡】
『削ろう会 高岡大会に初参戦して来ました!』・・・今回の大会参加によって(株)寺田工務店の家造りスタッフはそれぞれに良い経験をさせて頂いたと感じています。
会場が富山県の高岡と遠方であったため、土曜日の各現場作業をお休みさせて頂いての大会参加となりました。各現場のお施主様方には今回も私の我儘をお聞き入れ下さり、誠に有難うございました。
今回の大会で得た貴重な体験を活かしながらお施主様と共に造り上げる【いい家造り】の思いをこれからも高めて行こうと思っています。
『初参戦するなら 思い切って行こう~!』と考えた私は・・・静鉄観光さんの21人乗りの小型バスを貸切り、スタッフの家族も乗せて富山県の高岡を目指しました!
出場するメンバーも家族の応援が有ったらきっと心強いのではないかと思い、今回の【削ろう会ツアー】を実行しました。会場に到着した時には既に全国から腕に自信のありそうな大工さんらで賑わっていました。
地元新聞にも削ろう会のことが大きく取り上げられているではありませんか!こんなにも大イベントだったなんて私は何も知りませんでした。
【大工の技継承 考える】・・・なんともすごいテーマが掲げられています!確かに大工仕事は機械化され、手道具を使っての仕事内容は今日の住宅建築からは激減しているように感じています。しかし全国各地からこれほど多くの大工職の方らが集まるのだから、若い職人さんもこれから益々頑張ってほしいと強く思ってしまいました。
会場は重要文化財の勝興寺境内で行われました。今回の大会は大規模な修繕中の素屋根の中で大会が行われるのです。先人達の技の息吹を感じながら競技に参加出来るのですからそれだけでも貴重な体験であります!(しかし鉋削りにエントリーした方々にとっては会場にセッティングされた削り台の間隔が非常に狭く、きっとやり難かったことと思います。)
(株)寺田工務店の参加メンバーは3人!・・・一台の削り台を3人で使わなくてはなりません。(こんなことだったら各個人名で登録させてあげればそれぞれ3人が余裕をもって大会に臨めたのではないかと悔やまれてなりませんでした。)
削ろう会の主な方から計測にあたっての幾つかの注意点等が発表されました。10ミクロン以下の記録を認められた者には記録認定証が後日発送されるとのことでした。
富山と海野であれば今回の大会で10ミクロン以下の記録を十分に出せる実力があると私は信じて今回の削ろう会ツアーを計画しました!しかし・・・辺りを見渡すと大工魂が熱く迸っている【つわもの揃い】って感じなんです!(始まったばかりなのに私が弱気になっていてはいけな!・・・なんとか二人にはリラックスして、いつもの調子で臨んでほしいのです。)
『さぁ!富さんと海野君! 二人で1・2(ワンツー)だぁ~!頑張って行こう~!』・・・(仕舞ったぁ・・・。こんな時にガンバッテは逆効果だったかも!?と後悔先に立たずであります・・・トホホッ)
今大会への出場にはあまり乗り気では無かった富山には余計な緊張がないのか削り厚も12ミクロン~8ミクロンをコンスタントに出しているではありませんか!(ヨッシャ!これはいける!私の期待は大きく膨らんで行きます!)
富山も海野も先ずは軽く肩慣らし!・・・しかしどうした訳か海野がいつもの調子が掴めない様子!(私が彼に掛ける期待は大きく、大会前日にも『全国の鉋侍なんかに絶対負けるなよっ!大会新あるのみ!』と・・・強いプレッシャーを掛け過ぎてしまったようです。)
私が彼らをじっと見ていては更にプレッシャーを掛けてしまうと思い、他者の様子を探りに会場内をちょこと偵察して来ることにいたしました。
今回の大会はこの薄削り競技にエントリーされた方々ばかりではなく日本の伝統建築を支える職人達の各催しも至る所で見学出来るのです!
大鉋を巧みに操り一気に削って行くその姿には感動しました!その他にも普段見ることの出来ない手作業の素晴らしさに驚くばかりの私です。
さて・・・競技に参加された方々はどんな状況なのか探っている私ですが、皆さん本当に素晴らしい!『鉋屑が透き通っているんです!』・・・そしてもう一つの発見は殆どの方々がヒバ材を使って薄削りに挑戦しているのです!(9割以上の方がヒバ材を使っていたと思います・・・いやっそれ以上だったかもしれません!)
きっと何度もこの薄削りの大会にチャレンジしている方々はヒバ材がこの競技に一番合っている材料であると判断したのでしょう・・・。
なぜ・・?海野はヒバ材じゃなくて尾州の檜材を選んだのだろう!?(すでにその時点で情報不足!皆に負けているではないかぁ~!と心の中で叫んでしまいました。)
私は早速 この事を海野に知らせようと我が参加メンバーの削り台目掛けて走り出しました。(・・・いったい何故海野はヒバ材じゃなくて檜を選んだのだろう!?きっと彼だったら皆がヒバ材で参加して来ることくらい分かっていたはずなのに!と何度もなんども自分に問い掛けてはみたものの答えは出て来ませんでした。)
漸く 我が削り台の所まで辿り着きました!・・・『おい!何故ヒバを使わなかった!?』と問い掛けようとしたのですが、海野が真剣になって鉋の話を誰かにしているではありませんか!
この方はどこかで見たような? 思い出しました!超有名な直井さんではありませんか!(日本を代表する宮大工の棟梁であります。)
『・・・なぜ君の鉋 こんなに厚く作ったんだね?』・・・と直井さんの質問に『はい! これは今大会用に僕が考えてみたんです! 鉋を強く押えようとし過ぎてしまうその気持ちを鉋台の厚みを厚くすることで上手く気持ちを抑えられるんじゃないかと・・・。』(まったくうちの海野と来たら、超有名な直井さんを相手に堂々と話しが出来るなんてなんて感心な男だ!)
『社長!・・・今の方 宮大工でも超有名な直井さんっすね~!俺 もういっぺん 刃を研いで来ます!残り時間が心配だけど・・・。』と言い去るようにして1階の研ぎ場まで鉄骨階段を駆け下りて行きました。
なんとなく吹っ切れた様子!先ほどの直井さんとの会話が海野の気持ちを和らげてくれたのか、余分なプレッシャーから解き放たれたようです。
直井さんは富山にもARISAにも優しく話し掛けてくれました。・・・しかしこの世界に入ったばかりのARISAにとって直井さんの存在は皆無!
あの方が後でどなたか教えてあげたらきっとビックリすることでしょう!
『社長~・・・あのおじいさん誰なんですか? 知ってますぅ・・・???』
その問い掛けに私は答えました『あの方は 超有名な宮大工の方だよ! 日本を代表する宮大工の棟梁さぁ』
『今のおじいちゃんがですかぁ~ えぇ~!!知らなかったぁ~!』
この世界に入ったばかりのARISAにとって直井さんのような有名な方にお会いできたことは一生の思い出になると思っています。これを機会に両先輩に食らいついて頑張ってほしいと思っています。
『富山さぁ~ん ・・・・今の方 超有名な宮大工の方 なんですって!』 (その笑顔を忘れずに仕事に取り組んでほしいものです!)
再度 研ぎ作業に掛った海野の姿は、もうなんていったらいいのか一心不乱でした。刃先を携帯用の顕微鏡で確認しながら何度か研ぎ直している様子でした。
『パパ~ ガンバッテ!』と愛娘の声援を受けて 黙々と刃先を研ぎ出しています。海野にはなんと言ってもこの声援が一番の支えであることは間違いありません。
研ぎ作業を終えて海野が戻って来ました!この時点で既に計測提出時間がかなり迫っていました。(富山も今回海野がこの大会に勝負を賭けて臨んでいることを十分に知っていたので、残りの時間は全て海野に削り台を渡し、自分の削り作業はこの時点で諦めたようでありました。)
(・・・富山には悪いことをしてしまいました。私がもっと会場の鉋台の台数状況やその他のリサーチが出来ていれば、両人にもっと落ち着いて競技に参加させてあげられたのですが・・・。)
総べては 海野に任せられました! そして計測です!弊社でも今大会出場の為に購入したマイクロメーターを使って仮測定したのですが、結果は10ミクロン~8ミクロン(1ミクロン=1/1000ミリ)
私はもうその様子を写真に収める余裕もなく、『よしっ! 俺がサポートするから! 撮影は誰か代わって!』そんな事を言いながら再度海野が削りに挑戦するのをサポートしました。
『社長!・・・ もう今の削りで 測定してもらって来ます!』・・・と言い去り、ARISAを引き連れ2階の我が削り台から4階の一番奥に設置された測定審査場所へ階段を駆け上がって行きました。
既に多くの競技参加者の方が透き通るような薄さの鉋屑をちぎれないように注意深く抱えながらな並んでいるではありませんか!
漸く・・・海野が測定して頂ける順番が回って来ました!(私は心の中で、三人が互いに協力し合い頑張って来ました!どうか良い記録が出ますようにと祈っていました。)
『・・・6ミクロンですね!』と削ろう会の方の声が聞こえました!
『やったなぁ~!すごいぜ海野君!!』と声を掛けようとした時でした。大きなビデオカメラを抱えた人達が海野にインタビューをして来たのです!海野も結果を残すことが出来てほっとしたのか、顔からは笑みがこぼれていました。
この様子は高岡ケーブルネットワークにて放映されています!(是非 彼の勇姿を見てやって下さい!)
・・・さて ARISAですが 記録云々じゃなくて チャレンジする気持ちが大切!海野も好成績を残せたことだし、ARISAも挑戦してみなくちゃ!
恥をかいたっていいじゃないかぁ!・・・何もしないで静岡へ帰ったら後悔ばかりが残ってしまうよ!と私に軽く肩を叩かれたARISAは海野先輩の鉋を借りて薄削りに挑戦していました。
女性だからとARISAの周りには多くの方が見守ってくれるのか、本人は余計に緊張してしまうようでありました。
次回は自分の鉋で!自分が研ぎ出した刃先で!チャレンジしてほしいと思っています。ファイトある彼女なら諦めない限りきっと道は開けて行くと信じています!(ARISA!静岡に帰ってから先輩方がビッシビッシッと指導して行くそうだぞ!)
『・・・ところで海野君? なぜヒバ材じゃなくて 檜材を選んでの出場だったの!?』この私の問いかけに海野は笑いながら
『社長~! 皆がヒバで勝負して来るからって 真似してちゃつまらないでしょ!』こんな答えしか返って来ませんでした。(なんとも豪快な奴です!なんとも頼もしい男です!)
ご覧くださいこの3人の笑顔! 私はこの笑顔を大切にして【いい家造り】に精進して行きたいといつも心に強く思っています!『富さん!いつも皆を纏めてくれて本当に有難う!(株)寺田工務店の棟梁として益々頑張ってほしいものです!』
・・・そして皆さま 超~長々と語り尽くさせて頂いた今回の私の社長ブログに最後までお付き合い頂きまして誠に有難うございました。これからもスタッフ一同心を一つにして、お施主様と共に造り上げて行く【いい家造り】を目指して行きます。
この記事へのコメント
きょうのブログは、力作ですね!
大会の臨場感が伝わって、ワクワクしながら読みました!
参加大工さん600人ですか。
そのなかでの6ミクロン、おめでとうございます!
さすが海野さん、いい仕事をしていますね。
しかも、ほかの職人さんが記録をだしやすいヒバ材を使うなか、あえて檜で挑戦して6ミクロンですから、この記録は、とっても、とっても、価値のある記録ですね。
顕微鏡を使っての刃先のチェックも、驚きでした。
まさに職人魂!
次回は、個人登録で、ヒバ材で挑戦したら、大会記録の3ミクロンに迫る成果も期待できるのではないでしょうか。
こんな職人さんがいるだけでも、社長さんとしては、心強いですね。
いや、社長さんをはじめ、あたたかなスタッフに囲まれているからこそ、力が発揮できるのでしょう。
ありさちゃんも、良き先輩たちを目標に、いつかは名を残す職人になってほしいですね。
それにしても、家族の応援が必要だということで、観光バスまで借り切ってしまうあたり、社長さんのあたたかな人柄が出ていて、いいなあ。
そうそう、6ミクロンもすごいことでしたが、社長さんが首からさげているカメラにも目が釘付け!
G9、いつ買ったのですか。
まこべえの欲しいカメラ、みな先を越されてしまいましたね(^^)
35ミリスタートということで、いまだに購入の踏ん切りがつかないカメラですが、描写力で比較すると、GX100よりも、やっぱりG9でしょうか。
もしかして、現場用に、G600もすでに購入済だったりして(^^)
このカメラ、建設現場用として宣伝されていますが、アウトドアに最適なカメラですよね。
欲しいなあ。
永芳閣の女将様へ
おはようございます! コメント頂きまして有難うございます。
はい! (株)寺田工務店の家造りスタッフ一同、本当によく頑張ってくれたと私も感激です。
小さな会社ですが、社員一丸となってお施主様の為に【いい家造り】に力を入れて行きます!
永芳閣の女将さんのブログには到底及びませんが、感じたこと、身近に起こった事などこれからもブログに綴って行けたらな!と思っています。
これからも どうぞ 宜しくお願いいたします。
まこべえさんへ おはようございます!
お忙しい中 コメント頂きまして とっても嬉しいです! いつもまこべえさん、本当に有難うございます。
はい!好成績が残すことが出来たのも 弊社の3人が力を合わせ、互いに協調しあい頑張った証だったと感じています。
はい! 次回は大会新を狙ってみたいですね!・・・しかし3ミクロンは驚きの数字です!!・・・この先、この大会が続いて行っても今回の大会新は破られることがないんじゃないのかなぁ~・・・。
はい! ARISAも静岡の暮らしに慣れて来たようですし、彼女の職に対する気持ちも中途半端でないことも分かりましたから、これからは、厳しく厳しく指導して行きたいと思っています。
はい! 私たちスタッフが100パーセントの力を発揮出来るのも、それぞれの家族のおかげだと感じています。
・・・・欲しいですね~!G9 でも私が首からぶら下げていたカメラはG7です! 私の現場仕事の相棒として悲鳴をあげながらも頑張ってくれています。
小型で、しかも超高性能!・・・タフボディー!そんなカメラがこれからも続々と新登場してくるのでしょうね!
これからの季節は雨が一段と多くなりますから防水性能抜群のカメラが欲しいところです!!
もう 2週間もあれから経ってしまっていますが・・・
削ろう会 私もその場に行けたような そんな気さえするブログですね。
まずは 海野さん 『おめでとうございます』
やっぱり素敵ですね♪
あの インタビューを拝見すると
海野さんが1位になられたのかと思ってしまいました(笑)
そして皆さんお疲れ様でした。
彼は11ミクロンくらいだったようで
次の削ろう会ではリベンジすると意気込んでいました。
ここであきらめたら男がすたる・・・って(笑)
証明書は頂けなかったけど 彼なりに 納得のできる削りだったようです。
みなさん また 忙しい日常に戻られていることでしょうね。
次回の削ろう会は また会社あげての大旅行になるんでしょうか?!?
家族を伴っての参加でしたら みなさん頑張っちゃいますよね。
私は仕事の関係で 削ろう会の会場へ足を運ぶことはできそうにありませんが
いつかは・・・会場で職人技を見てみたいです。
社長さん、出場された職人さんより色んなご苦労があったのでは・・・と思います。お疲れ様でした。
そして 素晴らしいご報告ありがとうございました。
麗梨さんへ こんばんは
はやいですね~!削ろう会のために富山高岡までむかって・・・もう2週間だなんて!(最近私・・・歳を取ったせいか時の経つのが加速して行きます!もっと心に余裕が欲しいところですが、なかなか自分の思うようには行きませんね!)
はい!海野も3ミクロン目指して次回も頑張りたいとのことでした。
麗梨さんの彼のことだから次回の大会でも冷静に好記録を出し続けることでしょう!(会場にて麗梨さんの応援があれば今回だって3ミクロンも夢ではなかったはずです!)
はい・・・私も非常に貴重な体験を一杯させて頂きました!単に記録への挑戦ではなく、己の道を信じて生涯尽きることのない職人魂を磨き上げていってほしいと感じました。
はい!鉋侍ならぬ・・・【カメラ侍】となってリポートさせて頂きました。『どうも有難うございます。 これからも宜しくお願いいたします。』
先日はありがとうございました。
そして、ご健闘!パチパチパチ~!!
ブログで削ろう会を堪能させていただきました。
このブログ、コマわりといい、テンポといい、凄くいいですね。
臨場感アリアリ!です。
また、来年の削ろう会も、ぜひに!!