四方八方睨みを効かせた鬼瓦 【燻しの輝き今再び】 駿河区S邸
家を守り幸福を運ぶ鬼瓦 燻しの輝き今再び
静岡市駿河区S様の屋根改修工事をお請けさせて頂いています。今回の屋根改修工事にて昔の土葺きされた古い瓦を新しい燻し瓦に葺き替えさせて頂きます。
100年を遥かに越える歴史ある旧家の屋根改修工事をお請けさせて頂いたことは私にとっても最高の幸せです!今日は私も屋根に登り『あともう少しで完成だ~!』と(・・・青く煙る富士山を眺めながら)気合を入れ直しました。
今回は【鬼瓦】についてお話させて頂きます。そもそも鬼瓦の役割とは、棟の両端から雨水が浸入するのを防ぐことにあります。昔から日本では屋根の棟端には神聖な霊所としてあがめられて来たようであります。【家内安全・無病息災・災害回避】といった願いを鬼瓦というシンボルに託して来たのでしょう。
現在では鬼面だけでなく様々なものがあります。雲や植物を具象化したものなど多種に渡っています。怖い鬼の顔はしていなくとも屋根の棟の端々でその家に住まう方々の幸せを願い四方八方に睨みを効かせているのです。
S様の鬼瓦も100年以上に渡って【家内安全・無病息災・災害回避】といった願いを果たす為に活躍して来た貴重なS邸のシンボルなのであります。もちろん今回の工事にて大棟(一番高い屋根部分の両棟端)の二箇所の鬼瓦は【化粧直し】を施し、再使用させて頂くことになりました。
『どうですか!この風格!!燻銀の輝きが蘇った井桁紋がなんとも誇らしげではありませんか!』この先何十年・・・何百年(ちょっとオーバーかな)も四方八方に睨みを効かせ頑張ってほしいものです。
瓦職人の大石さんによって一段々丁寧に熨斗(のし)瓦が詰まれていきます。大棟の熨斗瓦は七段積み!完成した時には堂々たる日本瓦葺きの美しさを披露してくれることでしょう。
1階下屋部分の隅棟に据わる鬼瓦にも井桁紋を特注で作成し取付させて頂きました。その他の鬼瓦面には縁起の良い【打ち出の小槌】を取付させて頂きました。
日本瓦(燻し瓦)の輝きが秋の青空の中本当によく映えます!
S様の屋根改修工事をお請けさせて頂き、何百年もの実績のある和風住宅の在来工法の魅力をまた一つ再認識させて頂くことが出来ました。各部の瓦を数えてみればなんと6000枚以上におよぶ大屋根の改修工事であります。まもなく!まもなく完成であります!『瓦職人 大石さん!頑張って下さい!!』